サクラメント滞在写真集 ��
Seson 2
Photographed by Matsutora in California on 5th November 2012
イースト ローン メモリアル ハ゜ーク
イースト ローン メモリアル パーク(East Lawn memorial park)は
1904年に設立された無宗教の共同墓地である。
それゆえに、中国人や日本人などの外国人も数多く眠っている。
まるで公園にしか見えない
敷地は東西３００ｍ、南北４００ｍくらいある。
芝生はでこぼこしているのが見て取れる。
たくさんの墓標が埋め込まれている。
米国は土葬ではなかったのか？
この墓標の下に遺体が埋葬されているのか？
聞くところによると遺骨が収められているとのことだ。
日本では、米国はエンバーミングという死体防腐処理をして、
保管するのが一般的と信じられている。
サクラメントの地元の方に聞いてみた。
「昔から火葬をやってるよ。
アメリカは昔からいろんな人が住んでいるから、
いろんな埋葬方法があるよ。
火葬もあるし土葬もあるしエンバーミングもあるし、色々あるよ」という。
でもアメリカ映画で火葬場から煙が立ち上る光景なんか見たことがない。
映画の中での埋葬は決まって、
墓地に大きな墓穴を掘り、その穴の中に棺桶を下ろし、
その墓穴の周りを神父（或いは牧師）や
黒い喪服を着た参列者達が取り囲み共同祈願する。
アメリカ人は日本の火葬を奇異な目で見ていたのではなかったのか、
一体どうなっているんだ。
調べてみると、
アメリカと一概に言っても、
火葬が１割にも満たない州もあれば６割を超える州もあり、様々のようだ。
元来、キリスト教徒の多いアメリカでは聖書の復活の思想により、
遺体を火葬することが教義に反することとして、
土葬にする事がほとんどだった。
火葬が増えたきっかけは、
1939年に設立されたメモリアル協会という団体が、
従来の土葬による葬儀社の儲けを批判し、より安い火葬を勧めたのである。
さらに1971年には火葬協会が設立され、
火葬は土葬よりも現代的で衛生的で葬儀社を必要とせず、
葬儀費用や埋葬費用が節約できると訴え、支持を広めていった。
アメリカで火葬が増加したのは費用面での事情が大きいようだ。
土葬自体とキリスト教はそれほど強い関係はなかったので、
キリスト教が保たれたまま火葬が進んだようだ。
米国以外でも1944年に英国国協会が火葬を認め、
さらに1965年にはバチカンが火葬を認めたことも影響している。
イングランド火葬協会の調べでは、
1919年の火葬率はわずか1％であったが（残りはすべて土葬）、
1998年には72％が火葬になった。
フランスでは、1889年に法的に火葬が認められ、
以後フランス火葬連盟が火葬の推進を進めている。
エンバーミング率が現在も30％のフランスが、
火葬を認めたのは、衛生的な理由からだったようだ。
ニュージーランドでも、都市部で火葬率が増えている。
韓国も１９９９年は火葬が１７．８%だったが、
２０１１年には７１．７パーセントになった。
儒教でも火葬は身体の毀損行為と考えられ、
中国の歴代王朝の法典においても禁止が明記されていた。
韓国は、儒教国家ではあるが日本と同様に狭い国土に人口が急増し、
ソウル首都圏などの大都市では土葬を行うための土地を
確保できなくなっていることが大きな理由となったようだ。
世界の埋葬方法は、経済的、衛生的、埋葬場所の確保の容易さから、
火葬に向かっているようだ。
では、アメリカの実際の火葬率はどうであるかというと、
少し古い資料であるが、
1997年の火葬率の高い5つの州は、1位がネバダ州で61.11％、
続いてアラスカ州の58.54％、ハワイ州が56.66％、
ワシントン州が54.42％、そしてアリゾナ州が53.03％である。
退職後転入してくる人が多いネバダ州では、火葬率が60％と高くなっている。
また教育水準の高まりから、火葬が受入れやすくもなっている。
火葬の低いところではウエストバージニア4.85％、ミシシッピー州4.96％、
アラバマ州5.14％、ケンタッキー州6.25％、テネシー州6.67％となっている。
現在は更に火葬が増えていると予想される。
分かっているだけでも、
カリフォルニア州は現在約50％が火葬になったし、
ハワイ州は数年前に67.5％にまでなっている。
それらの遺骨のうち50％以上は、納骨堂や墓に納められてはおらず、
自宅に安置するなどされている。
日本の骨壷はお墓に入れるのが前提なので、飾りもなくシンプルであるが、
米国の骨壷は装飾品として暖炉の上などの身近な場所におけるようにできている。
統計上はカルフォルニア州の約２５％の家庭に骨壷が置かれていることになる。
日本人の目には装飾品と見間違うレベルの骨壷である。
綺麗な壺に入れられて
息子や娘などの近親者のそばにおいてもらえるのも素晴らしいことではある。
さらに、息子や娘などに埋葬やその後の管理などで
経済的にも肉体的にも負担をかけないことも嬉しいことである。
ジョン・レノンも今もって墓がない。
遺体は火葬にされ、遺灰はまだ妻である小野洋子氏が持っているとの説がある。
墓地には色々な花が供えられているが、やはり小菊が一番多く３割ほどを占めていた。
ここは真っ赤なバラが美しく供えられていた。
基本的には一霊一墓であるが、
最近は夫婦合同の二霊一墓も増えてきている。
中国人の墓は出生地が記されている。カルフォルニアは広東人の子孫が多い。
中国人夫妻の墓。左側の赤字明記はまだ存命されている印。
日系人の墓もありました。こちらも夫婦合同の二霊一墓になるようだ。
次はこの墓石の裏側に碑された文である。
“We will always remember you for your love caring and infectious smile.
Tｈank you for being our inspiration.You will be in our hearts forever.”
「私たちはあなたの愛に満ちた思いやりと、
私たちを幸福にさせてくれた笑顔をいつまでも覚えています。
あなたは私たちの生甲斐でした。
あなたは私たちの心のなかに永遠にいます。」(松虎訳)
こちらは、ロバート松井氏の墓である。
墓石の裏側。
ロバート松井氏は下院議員（国会議員）だったようだ。
“This is a great and wonderful country. Congressman Robert T Matsui”
「米国は偉大で素晴らしい国である。下院議員 ロバート Ｔ 松井」（松虎訳）
松井議員について調べてみた。
ロバート松井の両親は、子どもを１２０％のアメリカ人として育てようとした。
二度と再び日本人であること、日系であることで差別を受けないために。
そのために家では日本語を話さない。日本語を教えない、
どこから移民してきたかも教えない……
下院議員となって日本にやってきた時に、日本のことは何一つ知らない。
しかし、静岡のお茶畑に行った時に、その外側から見ると、
ベルベットのような緑の畝を見て、
もしかして私は日本人かも知れないと思ったと言います。
(櫻井よしこ氏の講演録より抜粋）
ロバート松井氏はサクラメントで１９４１年９月１７日に生まれた日系三世である。
１９４２年、彼は両親と共に
ツールレイク戦争移住センター(the Tule Lake War Relocation Center)に抑留された。
ときに生後6ヶ月であった。
終戦後、
1963年に政治学の学士号を取得しカリフォルニア大学バークレー校を卒業、
1966年に法律のヘイスティングス大学を卒業した。
1967年に法律事務所を開設した。
1971年にサクラメント市議会議員に初当選、1975年に再選を果たした。
1977年にサクラメント市副市長になり、
1978年の下院議員（国会議員）選挙で当選した。
1988年、
第二次世界大戦中の抑留プログラム（いわゆる収容所送り）の被害者に対して、
連邦政府からの公式謝罪と補償金を獲得することに成功した。
また、マンザナー収容所（ＴＢＳドラマ“９９年の愛”の舞台）の
国定史跡としての指定や
第二次世界大戦中の日系アメリカ人愛国者への
追悼記念公園（ワシントンD.C.）を作るための土地取得にも尽力した。
2004年12月24日に肺炎でベセスダ海軍病院（ワシントンＤ.Ｃ.）に入院し、
その８日後に他界した。
死因は骨髄異形成症候群からの合併症でまれな病気だったようだ。
2005年3月8日、松井議員の死去に伴う特別選挙で、
松井氏の未亡人のドリス氏が当選し、
夫人は現在も下院議員をされているそうだ。
アラブ諸国の方でしょうか。
“We all loved you.”「私たちはみんな君を愛しているよ」
ナサニエルさん、２９歳で他界されたんですね。
生活を愛し、人々を愛し、動物を愛した人生だったようだ。
“Together Forever”「永遠にいっしょ」
エンバーミング(死体防腐処理)を施した遺体を入れるロッカー。屋外にある。
各ロッカーは４隅がビスで止められて簡単に開けられないようになっている。
この墓場でないが、
マリリンモンローもこのタイプのロッカーに安置されているようだ。
モーソリアム（mausoleum）という遺体を多数納める建物。
建物に入ったすぐの正面。
こちらにもエンバーミングされた遺体がたくさん安置されている。
こちらは別のモーソリアム。
また、この墓地の管制塔のような機能も有している。
受付で見学希望を申し出たら、快く認めて頂いた。
７４年前に亡くなった方の安置扉もこんなにきれい！
この墓地はどこもかしこも
手入れの行き届いた公園と全く同じように管理されている。
屋外の芝生の中の墓さえも掃除に行く必要はまったくない。
とはいえ、この墓地は特別の墓地ではなく、一般的な普通の共同墓地である。
こちらは火葬した遺骨を収めている。
こちらはローマ時代からの伝統を受け継いだ石造の柩入れ。
夫婦二体が入れてあるようだ。
上のKIESEL家の石造の柩入れの内部をのぞいてみた。
８人分の遺体が安置できるようだ。
このように１家族が安置できる大きさのものは
この墓地にはほんの数個しかない。
８０年前に亡くなった人のお墓（墓標とその周辺）もこんなにきれいだ。素晴らしい！
最近亡くなったのだろうか。孫を見せに来たのかもしれない。
この写真の奥に別の遺体安置ロッカーが見えたので、行ってみた。
横長いロッカーは二人（夫婦）用である。
日系人だ！
こちらも日系人ですね。
こちらも日系人だ。金光教の印が入っている。
木村広道という金光教サクラメント教会の関係者らしい。
調べてみると、
サクラメントには金光教以外に、
高野山、仏教会、日蓮宗、天理教、創価学会の各教会があるようだ。
時間があれば、これらの教会も取材したい。
日系人の墓。
日系人の墓。
カーネーションも供花される。
後日、
火葬場がどこにあるんだ
と地元の方に尋ねてみた。
あちこちにあるらしい。
近くにもあるというので行ってみた。
自転車で２０分ほどのところにあった。
普通の街中にあった。
リンドブラザーズ（会社名）：葬儀、火葬場
墓地売買、土葬、火葬
正面
背面
グーグルマップからみたリンドブラザーズ社。
さらに、後日。
カトリック系の墓地を訪ねてみた。
もともと火葬に反対していたのは来世の復活を唱えていた
キリスト教の教義に反するからであったが、
1965年にすでにバチカンが火葬を認めている。
前述のイースト ローン メモリアル ハ゜ークは
無宗教の共同墓地である。
では、カトリック教会の墓地はどうなのか？
カトリック系の墓地には
十字架、キリスト像、教会などはあるが、
埋葬についてはほぼ同じである。
カトリック系の墓地にも火葬もあればエンバーミング保存もある。
但し両墓地とも遺体を直接墓地に土葬はしていないようだ。
カルバリー カトリック セメタリー＆モーソリアム
(Calvary Catholic Cemetery and Mausoleum)
カルバリーカトリック霊園へようこそ！
ここは、私たちの親戚や友人の神聖な場所です。
適切な行動をとり、礼儀とご協力をよろしくお願いいたします。
この墓地はローマ・カトリック教会サクラメント司教が管理しています。
・この霊園は毎日午前8時開門、午後５時閉門します。
・ミサは毎週土曜日（祝日は除く）午前１０時から行います。
・ペットは必ず引き綱をつけて自由にさせないこと。
犬の糞はカルフォルニア州法2.01.8300により飼い主が始末すること。
・徘徊及びアルコールの持ち込こまないこと。
・３月１日から１１月１５日までは墓に造花を供えないこと。
・クリスマスなどの祝日飾りはその祝日の15日後には片付けます。
・霊園内で個人的な植樹などはしないこと。
・寄付や販売の勧誘はしないこと。
・お車の鍵は忘れないこと。
違反者は直ちに霊園を出ていただきます。
警告
霊園内で教会財産を荒らしたり、傷つけたり、窃盗すれば
カリフォルニア州刑法594.35により重罪になります。
園内の最大制限速度毎時15マイル（時速２４ｋｍ）
以上、よろしくお願いします。
西ナイルウイルスを防ぐために
・西ナイルウイルスを媒介する蚊は墓地の花瓶の水中で繁殖します。
・花瓶にはウォータークリスタルを入れてください。
・ウォータークリスタルはジェル状になって蚊の繁殖を防ぎます。
・ウォータークリスタルは花を新鮮に保ち、毒性はなく、環境に優しいです。
撮影後の次の土曜日、午前１０時からミサがありました。
参考ウェブサイト多数
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