Produced & Photographed by Matsutora
バンコクは下を向いて歩こう
平成26年7月21日
こちらに赴任するまでに気になっていたことはたくさんあった。
まず、蚊の媒介する病気(デング熱、日本脳炎、マラリヤ)や
汚染された水や食事に起因する病気。
さらに、室内を這いずり回る10cmもあるという巨大なゴキブリや
ヤモリも気がかりだった。
だが、実際にこちらに来てみるとそれらの多くが杞憂であったことがわかる。
まず、タイ王国のなかでバンコク市は特別な街であるということだ。
バンコク市とそれ以外の郡部では100年くらいの差があると言われている。
バンコク市以外では深刻な問題なのかもしれないが、
話をバンコク市に限定していうと、
バンコク市内では蚊に刺されることはほとんどなく、
蚊が媒介して怖い病気になったということもほとんど聞かない。
水道水は飲めないが、ペットボトルの飲料水を購入して飲んでいれば、
汚染された水で何がしかの病気に感染することはない。
外食のなかで出された水や氷が汚染されている場合が考えられるので、
できるだけ清潔そうな食堂を利用するようにしたい。
路上などの屋台での食事はタイらしくて魅力的ではある。
さらに出される食事もうまくて値段も安いということだが、
できれば距離をおきたい。私は使わないようにしている。
ところでゴキブリであるが、私はすべて外食にしているので、
部屋にゴキブリが喜ぶようなものはなにもなくがらんとした部屋である。
ゴキブリも住み着かないと思っているが、
念のために日本から持ち込んだコンバットを入居直後に置いていたら、
その翌日に1cmほどの小型のゴキブリが死んでいたが、
その後は一匹の屍骸もない。蚊や蛾もいない。
夜間の街灯の周りで蛾が飛んでいるのを見たことは一度もない。
室内にはまれに蟻程度の小さな蛾が入ってきて体にまとわりつくことがある。
それが不愉快なので、
日本から持ち込んだ蚊取りマットを在宅中はつけたまにしているので、
不愉快な虫のいない快適な生活を送っている。
街路でゴキブリがちょろちょろ歩いていたのを見かけたことがあったが、
日本のゴキブリよりもやや小さかった。
10cm級のゴキブリを見たいと思っている。
前置きが長くなったが、
バンコクで一番気をつけることは「下を向いて歩こう」ということに尽きると思う。
とはいえ、街路の横断は信号がまったく当てにならない。どこでも渡れるのである。
まるでドッジボールのようである。
決してボール(自動車)に当てられてはいけないドッジボールのようなものだ。
当てられた(引かれれた)が最後、一巻の終わりである。
杉ちゃんではないが、「ワイルドだろう!?」といいたくなる。
この横断ばかりは、「下」ではなく、「左右」である。
しっかり左右を見て横断しよう。
また、タイは米国と同じく銃所持が認められている。
タクシー運転手さえダッシュボードに銃を保管している。
けんかはしないことだ。タイは微笑みの国と言われているが、逆も真である。
切れたら収拾がつかないといわれている。
タイはこのような危険さと隣り合わせている。
バンコク市の難癖をつけようとしているのではない。
バンコク市には世界に誇るものはたくさんある。
今後それらの写真もどんどん紹介していくが、
もし将来、読者の中からバンコク市に来る人があれば、
バンコク市で不愉快な目にあわないようにという配慮から、
気になることをひとつ厳選して紹介しておこうと思った。
あぁ、話がまた横道に入ってしまった。
バンコク市で一番気をつけることはやはり「下を向いて歩こう」ということだ。
これは、どういうことかというと、
写真取材をしたので、写真を見ながら納得していただきたいと思っている。
バンコク子は歩くのが嫌いですぐに乗り物に乗るというが、歩道を見れば納得はする。
歩道を歩こうにも歩けない。
歩道に商品を並べて商売をはじめた。
ここはかろうじて歩道を歩けるが、
ここは車道に下りるしかない。
横断歩道に行くには鉄線が邪魔になっている。
何の鉄線かと思ったら、電柱をひっぱて支えているようだ。電柱右側の細い線がそれ。
でも、こんな遊び心があるとほっとはする。
歩道には雑多なものが設置されたり置かれているだけでなくて、
段差があったり、壊れていたりしているところも多い。
よく下を見て歩かないと躓ずいてしまう。ハイヒールで歩く街ではない。
このようなマンホールのふたもちょくちょくある。
危険なのは電線があちこちで切断されたままになっているということだ。
雨が降り、切れた電線が放電している水溜りに足を突っ込み感電し、
死亡することも毎年あるという。
笑い話のようであるが、実際にあった極端な話では、
放電されていた水溜りに立ち小便をして、小便から陰茎へ感電し死亡したこともあるらしい。
特に雨降りは気をつけて歩こう。
しかし、一番厄介なのは犬だ。昼も厄介だが、夜は数段危険になる。
バンコクでは犬は放し飼いにされている。飼い犬だけでなく野犬も多い。
それらの犬があちこちで寝転がっている。踏みつけたら大変だ。犬に咬まれることになる。
咬まれれば即病院にいかなければ狂犬病で命を落とす危険性がある。
糞も好きなところでする。
バンコク市の方々も日本人と同じように毎朝自宅前を掃除しているので昨日の糞はないが、
今日の糞はあちこちに転がることになる。
私はバンコクに来て最初の5日間で2回も糞を踏みつけて不愉快な気分になった。
私はバンコクで散歩やジョギングはしないことにした。
後記(8月13日)
バンコクは下を向いてあるこうと声をかけたが、その後も1度犬の糞を踏みつけた。
しかし、昨日はもう少しで怪我をするところだった。
初めての道で、目的地がどこにあるのかを探しながら歩いているときだった。
急に左足がひかかって、バランス崩し、
突然“わー”と大声を上げて、転倒間際のダッチロールだった。
向こうから歩いてきてた女性がびっくりして凍り付き、
血相を変えてどうなることかと見守っていたのが、瞬間的にわかったが、
どうにかバランスを持ちなおした。
その女性も安堵したという様子がありありだった。
とにかく、バンコクは、歩道にこんな鉄線がある。
時と場合によっては、下だけ向いて歩くのも難しいが、事故はそんなときに起こる。
やはり、バンコクは気をぬいてはいけない街だ。
後記(9月13日)
ついに滑りこけた。
それはラーマ5世が住居としていたウィマーンメーク宮殿の大理石の通路だった。
床が滑らかな上に雨が降っていたのが災いした。
とっさに傘でつっかえたので、幸い怪我は無かったが、傘は壊れた。
琥珀ブログ 平成23年3月20日 初製作
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