Produced & Photographed by Matsutora
散歩
平成26年10月10日から平成27年5月14日
WALKING
Octber 10,2014 to March 14, 2015
何かと忙しくて、しばらく何の運動もできていなかったが、
数日前から数か月ぶりに少し散歩を始めた。日本では体躯の日である。
大学を出て東に向かう。（１０月１０日）
アメリカの住宅地と同じく郵便受けを表通りに設置して
郵便局員の任務を軽減している。
紅葉が真っ盛り
昔の小さな民家に紅葉が見事に映える。
現代の民家。上等のほうだ。
白樺の木は日本でも見たことはあったが、
四国の人間にはめったに見れるものではない。
初めて気が付いたが、白樺は秋には黄色く紅葉する。
枝は柳のように尾状になって垂れ下がる。
春には花も咲かせるらしい。
自動車道、自転車道（歩道の左側）、歩道（歩道の右側）
ポーランドは自転車道がよく整備されている。
自転車の信号機もあるくらいだ。
ポーランドなら散歩もジョギングもできる。
タイのバンコクは歩道の設備が十分ではなく、
危険なので散歩もジョギングもあきらめていた。実際にやらなかった。
この通りは落葉樹が多い。
綺麗な秋色になっている。
番号は、上の写真の散歩コースを表した。
�，鉢い禄佝�地点と終点であるキャンパスの場所。
キャンパスの道路の向こう側は墓地だ。
上の写真でいうと�，鉢△涼羇屬�らいにある灰色の部分。
いつも誰かが墓参りに来ている。
日本の彼岸か盆くらいの人出が毎日ある。（１０月１１日）
それにしてもポーランドの墓地は綺麗だ。世界一綺麗な墓地だと思っている。
今日はキリスト教の旗日ではない。まったく何もない、普段の日であるが、
毎日、人の手が入ってこのように綺麗に保たれている。
ここは特別の墓地ではなくて、まったくごくありふれた墓地である。
そのことを強調したいので、大学から一番近い墓地を取材した。
灯りが点いている。ロウソクの炎である。
毎日灯が点っている。毎日誰かが来ているということである。
夕方もう一度訪れた。
すべての墓に灯が点るわけではないが、これだけでもすごいことだ。
私も３０年間ほど墓守をしたことがあるが、
とてもこのようにできるものではない。頭が下がる。
墓をこんなにも大事にする人たちを私は他に知らない。
約１か月前に散歩コースの紅葉の写真を撮った。
その時には、これで紅葉は終わったものだと思っていたが、
最近、周りが富に秋色になってきた。
日本の春花が次々と咲くように、
ポーランドの樹木も黄葉の時期がそれぞれずれている。
寄宿舎の前から散歩に出た。（１１月８日）
奥のビルは私の校舎。
ポーランドで一番目につく鳥。
ニシコクマルガラスという小さめのカラスで、
ハシボソガラス（日本の代表的なカラス）のような獰猛さはなく、
鳩のようにおっとりとしている。
大きさも食習慣もこれまた鳩と似ている。
鳩と一緒になって木の実などの餌さがしをしている光景もよく目にする。
鳩のように可愛いカラスとでもいっておこう。
ニシコクマルガラスは北アフリカからヨーロッパのほぼ全域、イラン、
北西インドおよびシベリアと、広範囲に分布している。
日本へは迷鳥として２例ほど確認されている。
キャンパス内でも落種をよくついばんでいる。
日本で見たことがあるようなないような雑草の花が咲いていた。
キャンパスには空き地が目立つ。将来はこのキャンパスに大きく集約されるようだ。
ついでに教室へ。私の教室から見た景色。やはり秋色だ。
キャンパスに内にあるカトリック教会
キャンパスからでる。家の作り方がよくわかる。屋根まで煉瓦ではないようだ。
１か月前にも撮った同じ場所。
落ち葉かと思ったら、そうではなかった。
ナラ（Oak）の種が落ちて、一面に発芽した。そして今、その葉が紅葉した。
いつもの散歩コースから離れて、中心部に向かう。
ナナカマドの赤実が鈴なりだ。
この写真を見た方から、どんな味がするのかというリクエストがあり、
後日、食べてみた。（次の２枚の写真は後日挿入掲載したもの）。
ピラカンサスにような実ではなくて、
ジューシーで、甘酸っぱい汁が口の中を流れ、いけるかと思ったが、
その瞬間に苦みがでて、実を吐き出しても、しばらくのあいだ口の中に苦みが残った。
川に出た。
マガモが泳いでる。
マガモはヨーロッパにもアメリカにも、北半球に広く分布しているようだ。
こんな小さな川にもいる。
駅前の中心地にある公園。
公園を通り抜けると古い町並みがある。
花かと思えば、実だった。
教会の中に入ってみた。
ドームの頂上まで人が行けるようだ。
あの黄葉の下がバス停。
今日はよく歩いたので、帰りはバスだ。
キャンパス前バス停。
ユダヤ人墓地があるというので散歩がてら行ってみた。
キャンパスを出てエドワード・ルクレーク（仏系スーパー）を超えて北に向かった。
その後、我大学本部を左側に見て更に進むとそれはあった。
ユダヤ教はキリスト教以前の宗教。ユダヤ教には十字架はない。
いったいどんな墓があるのだろうか。
しかし、そこには全く予想だにしなかった光景が広がっていた。（１１月１０日）
鍵がかかっていた。
鉄扉の前に蝋燭立てがいくつかあった。参拝の印の小石もあった。
地元の心ある方が置いていったのだろうか。
中はただの草むらだった。
だが、よく見ると墓石らしいものが見えた。
≪ユダヤ人墓地考察≫
中世時代のヨーロッパ諸国ではキリスト教的な反ユダヤ主義、
ポグロム（突発的な非組織虐殺）が多発していたが、
ポーランド王国は制度的にユダヤ人差別を撤廃したことに拠り、
大量のユダヤ人がポーランド王国内に居住した。
クラクフなどは市民の半数近くがユダヤ人だったといわれている。
その後、
ナチの侵攻時には、ポーランドは東欧でも特にユダヤ人を多く抱える国になっていた。
ナチは急進的反ユダヤ主義であるためポーランドで大量虐殺を引き起こしてしまった。
ユダヤ人たちの中には、囚われて不幸な最期を遂げた人々もいたが、
地下に潜んだり、ポーランドを離れ逃げ切った人々もいた。
第二次大戦後、
ポーランドはソ連に占領され属国となった。
ポーランドに残っていた一握りのユダヤ人たちは、
ソ連の介入でもっと悲惨なことになると察して、
全員が即座に国外逃亡（移住）してしまった。
それで今、
ポーランドにはユダヤ人は一人もいない、と学生が明かしてくれた。
かつて、そこにユダヤ人たちの墓があったが、
故人の後継者自身が戦災で命を落としたり、
ポーランドから遥かな遠くの国に逃れ住んだりして
無縁仏になってしまったということのようだ。
先日から気になっていた。
よく読んでみると市会議員選挙の立候補者のポスターだった。(１１月１１日)
あれ！？我大学のドイツ語の先生だ！
彼女は我大学では一番親切で頼りになる先生だ。
彼女の機転のお蔭で私の日本語授業が円滑にスタートできたという経緯がある。
ところで、ポーランドでは市会議員も市長も仕事が兼任できる。
たとえば大学教授が辞職しないで、同時に市長の仕事もできるのである。
ポスターは掲示板と個人宅（応援者）のベランダや塀などで、そのほかには見られない。
また、街頭選挙演説がないので全く静かな選挙運動である。
日本の場合は、議員は専属でなければならないので、
仕事を辞めなければならないが、
ポーランドでは本業を持ったまま議員活動ができるということである。
投票日は１１月１６日のようだ。
散歩コースもいろいろ確保している。
こちらの散歩コースは日本では見られない光景が広がっている。
写真の左側は市民に分譲された農園である。
共産党時代に土地を持たないアパート住まいの労働者に工場などが貸し与えていたが、
共産党崩壊後にそれらの使用者に安価で買い取らせたようだ。
このような市民農園は市内だけでなくポーランド全土にあちこちにあって、
これらの市民農園の総面積は市内にある公園の総面積よりも遥かに広く、
工場などの産業用地の総面積とほぼ同じくらいな広大さなっている。
共産党時代の名残といえば名残になるかもしれない。(１１月１３日)
建物は農機具などを入れる納屋で決して住居ではない。
日本には道祖神やお地蔵さんやお大師さんなどが路傍に祭られているが
ポーランドでもキリスト教関係のものを見ることができる。
散歩コースの３０分間の道のりで気が付いたものを撮影した。(１１月２７日)
これはキャンパス内にある。
こちらは個人の庭の中にある。
三叉路に面した路傍
これは何だろうか。
女性の名前と年齢、悲劇的な死を向かえたと記されている。
交通事故の犠牲者かもしれない。
このような供養はポーランドだけでなく、日本でも米国でも見られる。
悲劇的な死者への対応は本来は宗教には関係ないのかもしれない。
ヨハネパウロ２世。第264代ローマ教皇（ポーランド人）。
ポーランドではたいへん尊敬されて、あちこちに記念碑がある。
クリスマスも間近になってきた。
クリスマス前の散歩コースを撮影した。
最初の写真はキャンパスににあるカトリック教会。
ミサ時には入りきれないほどだ。（１２月２０日）
左側がカトリック教会、右側が松虎の講義する校舎。
教会前のモミの木。
クリスマス時にはクリスマスの飾りつけがあると思っていたが、
全くその気配はない。
教会内もクリスマスらしい飾りつけは全くない。
大学前の小さなスーパーでは、今日始めてクリスマスツリーを販売し始めた。
ポーランドのクリスマスは一夜飾りのようだ。
１本が９０ズロチ。今日のレートで３,０８３円。
こちらは少し離れた大きなスーパーではヤドリギ（イエミヨーワ）の販売を始めた。
日本のクリスマスの定番の植物といえばモミの木やヒイラギの葉が有名だが、
欧米ではクリスマス装飾には欠かせない植物としてヤドリギが広く使われている。
そもそも何故ヤドリギがクリスマスに出てくるのかというと
ケルト神話や北欧神話ではヤドリギは幸福、安全、幸運をもたらす聖なる木とされていて
非常に縁起の良い植物だったことに由来するそうだ。
キリストとはおよそ無関係であるが、
それを言えば、クリスマスツリーもそうだ。
クリスマスツリーの起源は諸説があってはっきりはしないが、
キリストとは無関係というところは一致している。
原型は北欧に住んでいた古代ゲルマン民族の冬至の祭で使われていた樫の木のようだが、
冬でも葉を枯らさずにいるモミの木は生命の象徴とされていた。
モミの木もキリスト以前から聖なる木だったのだ。
そういえばハロウィーンもキリスト教とは全く関係のない祭りだった。
キリスト教も他文化を吸収しながら成長していったということである。
また北欧神話でヤドリギが神に対し、
「地面に触れない限り、誰も傷つけない」と約束したと言われており
その名残で今でもヤドリギは足元には置かないことになっている。
そこでヤドリギの小枝を吊るし、
その下を通るときに幸福、安全、幸運を願うという習慣が生まれたそうだ。
ヤドリギの実。真珠のようで気品がある。
１０月１０日撮影時は、赤い花がいたるところに見られたが、すっかりなくなった。
１０月１０日、１１月８日にも同場所で撮影している、白樺の葉もすっかり落ちてしまった。
１１月８日の撮影時は、ナラ（Oak）の種が一面に発芽し、その葉が紅葉していた。
モミの木はいたるところにある。
キャンパス近辺の散歩コースでは一番大きな屋敷。
この規模の屋敷は全国的にみると無数にあると思われる。
電飾飾りをしている民家を今日は初めてみた。
昨日まで民家でのクリスマス飾りつけは全く見かけないので、
ポーランドではやらないのかと思っていたが、そうでもなかった。
ポーランドのクリスマス飾りはショッピングモールなどの商業用は日本並みに早く飾られるが,
民家や教会などは直前飾りのようだ。
一般の家では２３日か２４日にクリスマスツリーなどの飾りつけをする。
こちらのお宅も飾りつけの最中だ。
ポーランドの冬の夜は早い。夕焼けが広がってきた。
真っ暗になって再び散歩に出た。残念、電飾に灯りが入っていない。
大学近くの住宅地を１時間ほど歩いて、
現在（１２月２０日）イルミネーションしている家はこれだけだった。
教会の周りにもクリスマスの飾りはみられない。
この教会は大学周辺では一番大きいが、
やはり教会の周りにクリスマスの飾りつけは見られない。
クリスマス直前に教会内外に馬小屋の人形を飾り付けるところは多いと聞く。
教会内部。ミサの途中だった。
３月１９日ごろには小菊のような雑草に花壇ではクロッカスが咲き始めた。
これが最初の春の訪れだった。それからレンギョに続いて、桜やモクレンも咲き始めた。
（４月１８日）
ボケかと思ったら、とげが全然ない。黄色いのはレンギョ。
リンゴの木も多い。大木になっているのもある。
モクレン
白樺も新緑が出始めた。
白樺の花
ポーランドは薬局はあちこちにあって目立つが、病院らしい病院は見たことがない。
生徒に聞いて散歩がてらに見に行くことにした。中央奥が病院。
（５月１４日）
結構大きい。
市民病院のようだ。
大病院でも個人病院でもハート印があれば病院である。
ついでに言えば、ポーランドでは、一戸建ての個人病院は見たことがない。
個人病院もビルの一室を借りて診察している。
ご多分に漏れず、ここでも欧州共同体の融資でできている。
ポーランドの公共施設はたいていこの看板がある。
我大学は５キャンパスあるが、すべてのキャンパスにこの看板があり、
欧州共同体の融資で再建されている。
我校舎も我寄宿舎も欧州共同体の融資で建設されている。
融資を受けているポーランド国民もポーランドは欧州に復帰してよかった、
欧州が協力してくれて何もかも作り直してくれたと素直に喜んでいる。
日本の近隣の国家とは雲泥の差がある。
ポーランドは元共産圏では成長率が第一位であり将来性があること、
また、豊富な地下資源があるので巨額の融資を返却できる担保があること、
これらの理由によりポーランドには欧州から巨大な資本が流れ込んでいる。
マロニエが満開だ。左側は薄ピンク、右側は白いマロニエ。
白いマロニエ
薄ピンクのマロニエ。残念ピントがずれている。
それにしてもマロニエは大木になる。写真はマロニエが３本である。
琥珀ブログ 平成２３年３月２０日 初製作
© 2014-2024 KOHAKU BLOG. ALL RIGHTS RESERVED.