Produced & Photographed by Matsutora
クリスマスイブ
平成26年12月24日
CHRISTMAS EVE
Dec.24.2014
オポーレ近くの人口400人くらいの村でクリスマスイブを迎えた。
ポーランドのクリスマス飾りは直前飾りが一般的である。
22日頃からあちこちのスーパーでクリスマスツリーやヤドリギを売り始める。
ヨーロッパのクリスマスでは、クリスマスツリー、
ヤドリギ、わら(イエスが馬小屋で生誕したことから)が必要なアイテムのようだ。
ただし、プラスチックのツリーは11月下旬ころから販売されているし、
ショッピングモールなどの商業用のクリスマス飾りもその頃に飾り付けられている。
写真は12月23日撮影。
ヤドリギを売っているスーパーの前。
12月23日にホームステイ先に到着。
ホームステイ先の周りにもたくさんのヤドリギがある。
真下から見ると白い実がなっているのが見える。
これは何だと思いますか?テーブルクロスやカーテンなどをアイロンするもの。
ポーランドのイブは、まるで日本の大みそか。
男性は家の中をかたずけて、女性は食事に準備に追われる。
松虎も屋敷内の片づけやセントラルヒーテングのための石炭運びをしたりした。
石炭はポーランド産とチェコ産がある。
ここがボイラー室。
かつてアメリカに住んでいた家のボイラー室は半間の押入れくらいの広さで
燃料はガスだったが、こちらのボイラー室はかなり大きい。
青い箱状の左側が石炭入れ、右側が焼却炉。
石炭入れ
焼却炉
このタンクに沸かせたお湯が備蓄される。
お湯は室内の温水暖房器や水道の温水に使われる。
暖炉の煙突と勘違いしそうだが、ボイラーの煙突。
ボイラー室で沸かされた湯は、
屋内のあちこちに設置されている温水暖房器の中を流れる。
触れば温かくて、熱いという感触はない。
こちらも温水暖房器であるが、シャワー室にはこのタイプが置かれていることが多い。
温水菅が壁の中を通っているので、この壁も温かい。
片づけが終わればクリスマスの飾りつけ。
ポーランドは24日の夕食までに大掃除やクリスマスの飾りつけや
食事の準備ができていればいいそうだ。
完成!雪の綿を置いているツリーはポーランドでは見たことがない。
玄関飾り。リースは魔よけの意味があるそうだ。
クリスマスショップカも飾られる。
クリスマスショップカというのは、日本では、イエス生誕人形、馬小屋飾り、
キリスト降誕セット、クリスマス 馬小屋降誕セットなどといわれている。
キリストの生誕場面を人形で再現し祝うものである。
英語ではChristmas Crib and Christmas nativity sets
(クリスマスベビーベッドとクリスマス降誕セット)というが、単にクリブ(crib)ともいう。
イタリア語では「飼い葉桶」の意味で、プレゼピオと呼ばれ、
フランスではクレッシュ、ドイツではクリッペ、スペインではべレンと呼ばれている。
聖アンナ山修道院から日本文化的クリスマスショップカの展示を依頼されたので、
いろいろと考えて制作した。これは折り紙のクリスマスリース。
こちらはクリスマスショップカのリース。
一緒に買い物についていく。
走行中の車窓から。雪を防ぐ網塀だそうだ。
墓参り。
最近亡くなった方の墓。墓地が花で埋もれている。
水で洗った雑巾で丁寧に拭く。
二人の名前が書いてあるが、
二人分の墓地にしては小さい。
先に埋葬されたのは1952年、後から埋葬されたのは2006年。
二人はおそらく親族と思われる。
先に亡くなった方のお骨を深く埋めて、その上に新しい故人を埋める。
墓地は二重構造になっている。
海外などのように遠くに墓がある場合、ここで拝んで墓参りをしたことにする。
この教会の神父の墓。
ホームステイ先の奥様の御母堂様の墓。
イブの食事。ポーランドのクリスマスはイブの夕食から始まる。
この白いせんべいのようなものは、オプワトカといって、
教会から分けてもらってきた聖餅。
聖餅は各人が手に持ち、互いに分け合い、一人ひとり祝福交換の挨拶を交わす。
親戚が海外にいれば、郵送しているそうだ。
それくらいポーランドではクリスマスには重要なもの。
これがオプワトカ。イブのミサでも、クリスマスのミサでもこのオプワトカが登場する。
イブの食事はスープと魚(鯉)がメインで、肉は食べない。
食事の後、プレゼントがもらえる。
アメリカ合衆国やイギリスのように七面鳥肉は食べない。
フライは魚で肉はない。アルコールもないが、クリスマスの日は飲酒できる。
食後の飲み物。干し果物が入ってやや甘い。
24日の24時にクリスマスのイブが始まる。
みんなで何曲か合唱し、
神父の話がある。
『マタイによる福音書』によると
東方の博士たちが、「ユダヤ人の王としてお生まれになったかた」を尋ねて、
ベツレヘムへたどりつく。
彼らはイエスを見て拝み、乳香、没薬、黄金を贈り物としてささげたとある。
写真の銀色の入れ物の中には乳香があり、点火されているので煙(お香)が出てくる。
オプワトカ(聖餅)を持っている。
オプワトカを一人ひとりに食べさせる神父。
『きよしこの夜』の合唱でイブのミサは終わる。約1時間だった。
写真は教会内のクリスマスショップカ。
ミサ後、家に帰って、
グリューワイン(ホットワイン)とケーキを飲んでいたら午前2時になった。
アルコールは、すでに25日になっているので飲める。
グリューワインとは、赤ワインにオレンジピールやシナモン、クローブなどの香辛料、
砂糖やシロップを加えて火にかけ温めたクリスマスの飲物。写真はグリューワイン。
琥珀ブログ 平成23年3月20日 初製作

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