Produced & Photographed by Matsutora


死者の町で生きる人々
平成28年6月5日
ThE PEOPLE LIVING IN THE TOWN FOR THE DEAD

June 5. 2016



フリピンには死者の町がある。
霊園なのであるが、一つの墓地が家一軒くらいある。
そんな家が一つの霊園に何千もあって、
霊園内は車道だけでなく歩道もあり、通りの名前まである。
まさに死者の町である。
驚くべきことであるが、さらにびっくりすることがある。
死者の町で生きる人々がいるのである。
住居を持てない人々が、墓地に住み着いたのである。
墓地の中のスラムといういい方もあるが、
彼らは死者の町を生きる町に変えた人々かもしれない。
次の写真の全てはマニラ・ノース墓地(Manila North Cemetery)で
撮影されたものである。



普通の町にしか見えないが、家の形をした墓が並んでいる。
 

二階建てになっているが、墓参りに来て、二階で食事したり、
くつろいだり、故人を偲ぶことができるようになっている。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

とても死者の町(霊園内)には見えない。
 

 

 

 

 

 

子どもを撮っていたら、
私たちも撮ってよ、と頼まれた。皆さんこの霊園の住民だ。
 

ここでも、ワシらも撮ってくれよ、といわれた。
写真後方の黄緑のセメント箱は、棺桶を入れた外箱。
 

再度いうが、これが霊園内と信じられますか?
 

 

 

 

 

 

 
 
では、ここでフィリピンの墓事情。
すべての墓が家一軒分の大きさがあるわけではない。
棺桶をいれた外箱が雨ざらしの墓もある。
外箱はセメントで密封されているので、遺体が腐敗しても臭いも虫も出てこない。
7年後外箱を壊して開けると、遺体は完全に骸骨になっているそうだ。
遺骨は骨箱に収められて、収納場所が狭くていい別のところに祭られる。
7年間利用した墓はレンタルだそうだ。
 

雨ざらしの墓であっても、小さな公園くらいの広さの墓地もある。
 

この棺桶のそばには日本の石灯籠が置いてあった。
 

こちらは棺桶の団地のようなところ。
 

 

アメリカ風の墓地。アメリカン墓地以外では初めて見た。多くはない。
 

棺桶に屋根を付けて日差しや雨を防ぐ。
 

さらに壁を付ければ、もう建物になる。
 
 
更に庭があれば、もう住宅と変わらない。
 

 

住宅墓地も大小がある。
こちらは大きい方であるが、華僑の墓地はもっと大きくて、
4階建てのビルになっているものさえある。
 

内部は棺桶が置かれている。 
 

墓の前にテントを張って住居としている。
ここに住んでいる人は墓地の所有者とは全く関係がない。
親族が墓参りに来るとさっさと開け渡して、
遺族が去るとまた元の状態になるそうだ。
ここは公共墓地で、私有地ではないだけに、いつきやすいようだ。
公共墓地は、程度の差はあってもこのような状態になっているようだ。
 

住民がいるので、店もできる。なんとカラオケ店まであった。
 

この店の黒く映った内部を見れば、
 

息子だろうか、ゲーム(?)をしていた。
 

 

 

 

 

 

 

 

上の住宅墓地の内部
 

同じく内部。2階へ上がる螺旋階段がある。
 

 

 

 

この歯並びを見てもらいたい。スラムの女の子だ。 
日本人の歯並びは最悪というのがよくわかる。
 

 

上の店の黒く映った部分を、明暗を調整して拡大すると、
奥にある棺桶はテーブルのようにいろいろ物が置いてある。
 

 

 

 

 

 

外箱を壊して棺桶を出している状態。
新しい借り手が決まれば、棺桶が入れられて、
見栄えよくリフォームされることだろう。
 

 

 

 

扇風機が回っていた。
住宅墓地は電気も水道もあるので、どこからか電気を盗んでいるようだ。
 

若夫婦が住んでいる。棺桶がベッドになっている。
 

こちらは若夫婦のお隣さん。
 

 

棺桶の上に寝具が置いてある。夜間はベッドになるのだろう。
フィリピンは乾期があって、雨が降らない日が何カ月も続くので、
昆虫や蚊も極端に少ないので快適に眠れると思われる。
 

住宅が墓地にあって無料というだけで、仕事があれば外にも働きに行く。
ここの住民はトライシルク(オートバイタクシー)の運転手のようだ。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たくさんある道路には名前がついている。
 

 

上の住宅墓地の内部
 

 

 

 

 

墓地内のアイスキャンデー売り
 

 

 

 

 

墓地内のベンチが台所になるようだ。
考えてみれば、路上生活や墓地以外のスラムもあるが、
墓地を気にしなければ、他のところよりも快適かもしれない。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後方の巣箱の団地のようなものは、棺桶を収納する団地のようなビル。
 

 

 

 

 

 

 

 








 
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