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和楽寺
平成29年10月29日
Warakuji Temple
October 29 2017




ベトナムでは、大多数の国民が仏教徒で、
日本と同様に中国から伝わった大乗仏教である。
でも、実際にお寺に行ってみると大分違う感じを受ける。
それはベトナムの仏教が禅宗、密教、浄土教に道教、
さらに民間信仰を融合したものになっているからだ。
多くのお寺の本堂が「前神後仏」といって、
手前の部分には道教の神やヒンドゥーの護法神、土地神や職業神も祀られている。
ベトナムの仏教伝来は、北部では2世紀に遡るようであるが、
仏教が中国でその地位を確立した4,5世紀以降に政治支配と一緒に普及した。
10世紀には、仏教が国教として重んじられ、
特にリー(李)朝時代(1010〜1225)にはたくさんの寺や塔が建てられた。
リー朝に続くチャン朝の合計400年余という長い年月は、ベトナムが中国の支配を離れ、
独自に国造りを模索していた時代であったが、
中央政権の力が必ずしも強固ではなかったので、
仏教が主導的な役割を果たした黄金時代だったと言われている。
そのため、この時代の歴代皇帝の多くは、敬虔な仏教徒だった。
しかし、レー(黎)朝になると朝廷では儒教が主導権を握り、
仏教は国教から村落宗教へと後退していった。
こうした中で15世紀までにベトナムの仏教は道教、儒教との混合を強めていった。
フランス植民地時代に入ると、
キリスト教(カトリック)が保護され普及されていった。
ハノイではいくつかの仏教寺院が破壊され、教会や植民地政府の建造物に替えられた。
中でも1056年にリー・タイントン(李聖宗)が建立したバオティエン(報天)寺と
頂を青銅で覆った高さ40mの報天塔は貴重なものであったが、
1883年フランス植民地政府によって取り壊され、
この跡地に5年の歳月をかけてハノイ大教会(聖ヨセフ大聖堂)が建設された。
1975年の南北統一後、1981年11月ハノイでベトナム仏教教会が設立され、
その本部がハノイ市のクアンスー(館使)寺に置かれた。
憲法でも信仰の自由を保障しているが、
1986年にドイモイ(刷新)政策が出されるまでは、
仏教も含め宗教活動に対しては様々な許認可を要し、
僧尼の教育も政府宗教委員会の監督を受けたり、
信仰活動もいろいろと制約を受けていた。
こうした規制は1990年以降緩和され、
1993年のテト(旧正月)にドー・ムゥォイ共産党書記長が鎮国寺で焼香し、
またニンビン省のファッジエム教会を訪れたことが初めてメディアに報道された。
そして、これが事実上の宗教解禁宣言となったようだ。
日本では、1970年代には
ベトナム戦争から逃れるボートピープルが難民として多く日本に渡ってきたが、
その後もベトナム人からの訪日ベトナム人が増えていった。
そこから定住となった人々が資金を持ち寄り、信仰心と団結力を守るため
2006年1月に埼玉県に日本初のベトナム寺院「南和寺」が建立された。
その後、次々とベトナム寺が各地に作られている。
ベトナム寺は、在日ベトナム人の集会所としての機能も担っており、
週末ともなると多くの人々が祈りを捧げ、集会スペースなどでは食事会が開催されている。
神戸市長田区の和楽寺は、2012年に完成したそうだ。
住宅地の中にあり2階建てのお寺の二階に本尊などが祀られているが、
一階は集会所になっており、訪問時は昼食の準備をしていた。




和楽寺


一階








二階へ続く階段


二階










































 


 
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