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ドゥオンラム村
平成30年11月3日
ANCIENT VILLAGE DUONG LAM
November 3, 2018



　
ドゥオンラム村は、ハノイの西約50kmの紅河の南岸に位置している。
この村は、昔から多くの英雄を輩出した村だったことや、
科挙合格者などが建てた立派な家などが保存されてきたことで、
村全体が伝統的な姿を保っていた。
2003年ベトナム政府は、
急速な発展により伝統的な村が失われていくことに危惧を抱き、
ドゥオンラム村の保存事業の協力を日本政府に依頼、
ドゥオンラム村農村集落保存プロジェクトが開始された。
この事業は昭和女子大学、奈良文化財研究所が要請を受けて行い、
JICAの協力も得て、集落や家だけでなく衣食住や祭礼など
伝統的な農村生活を保存するため、調査、家屋の修復などが行われた。
ベトナムには「王法も村の竹垣まで」という言葉があり、
村の結びつきが強い社会だと言われている。
竹垣は現在ドゥオンラム村ではあまり見られないが、
村に出入りするための門が残され、
村の中心には守護神を祀るディン（亭）があり、仏教寺院や神社、
氏族の祖先を祀る祠堂などがある。
中国支配に抵抗したゴー・クエン武将と
英雄フン・フンを祀る神社がカムラム集落にある。
村の面積は約800ha、人口は約8千人。



　

ミア妃を祀る神社
今回訪問していないが、近くにミア寺がある。
そのミア寺を1632年に大規模に建て替えたのが、
この地の出身であるグエン・ティ・ゾンである。
グエン・ティ・ゾンは、後黎朝後期の実質的な支配者チン・チャンの妃の一人であるが、
妃となった後、年老いた両親の世話をするため再び宮廷から村へ戻り、
その後寺や神社、市場や橋などを建設したと伝えられている。
村人はミア妃の功績を称え、1776年にこの神社を建てた。
参道に花びらが会撒かれているのかと思ったが、代子の切れ端だった。
境内の広場で切り干し大根を作っているようだ。

　

　
ミア妃を祀る神社本殿

　

　

　

　
ベトナムではあちこちで見かけはするが、漢字をデザイン化しものらしい。
この神社の神主さんに元の漢字を聞いてはみたが、分からないらしい。

　
この神社を守る神主（右下）の話によると、
戦乱に次ぐ戦乱で、鐘もなくなり、タイヤのホイールを木に吊って
鐘代わりにしたらしいが、現在もそのまま残しているという。

　
グエン・ヴァン・フン邸　（1649年建築）

　

　
この家の当主。上の写真の右側の軍人が若かりし頃のお姿。

　
JICAボランテイアの日本人が書いてくれたらしい。

　
ある家の霊を祭る建物
ベトナムの民家には古来からあるが、
日本で例えれば、神棚が一戸建ての家になったようなものである。
現在でも余裕のある家は作っているようだ。
ところで、柱の上の小額に注目。

　
上の小額はこれであるが、これも漢字ではないだろうか？

　
建物の中に神壇が見える。

　
神棚の螺鈿装飾が素晴らしい。

　
庭の神棚

　
ズオン・ティ・ラン邸　（1860年建築）

　
福

　
壽（異体字）

　
螺鈿細工で”福寿家”の題額が掲げられている。

　

　
中央広場。ポーランドでは街ごとにあったのが思い出される。

　
中央広場でアオザイ撮影をしていた。

　
中央広場に面した神社

　

　
石の鐘

　
ドゥオンラム村の街並みには、ラテライトの壁がある。
ラテライトとは、ベトナム語では、
穴が無数にあいていることから“蜂の巣煉瓦”と呼ばれている。
その煉瓦塀が写真後方にも写っている。

　
ハー・ヒウ・テー邸

　
煉瓦敷きの中庭に、瓶が並べられている。

　
もち米酒は、土中に埋めて醸造させる。

　

　

　
アオザイの撮影会でもしているようだ。

　

　
こちらは、結婚記念撮影に行っているようだ。

　

　
ゴークエン神社

　

　
ゴークエンは、約一千年におよぶ中国支配から北部ベトナムの独立を達成した。
歴史的な重さから見ても、
戦いぶりのかっこよさからいってもベトナム史上最初の英雄武将である。
939年、南漢軍（中国）は海路ベトナムに攻めてくる。
有名なバックダンザン（白藤江）の戦いが始まった。
バックダンザンはハイフォンのやや北側に注いでいる河で、
過去になんども戦場になった河である。
ゴー・クエンは干潮のとき、リム（鉄木）と言われる固い木を川床に何本も埋め込んだ。
潮が満ちて南漢軍（中国）が河口から上ってくると、
呉軍は逃げると見せかけて上流に誘い込み、
潮が引いてきたとき一気に鉄木を埋めた所へ追い立て、
南漢軍（中国）の船の多くにダメージを与え大勝した。

　

　

　
ゴークエン将軍

　
ゴークエン陵

　

　




　


　
　琥珀ブログ 　平成２３年３月２０日 　初製作

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