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8世紀に訪日したベトナム人
平成31年2月5日
A VIETNAMESE MONK VISITING JAPAN IN THE 8TH CENTURY

February 5, 2019



かつて、阿倍仲麻呂がベトナムに住んでいたという情報が寄せられたことがあるが、
今回の情報は阿倍仲麻呂のベトナムよりも
25年も先にベトナム人が日本に住んでいたというのである。
阿倍仲麻呂は761年から767年までの6年間、ハノイの安南都護府に在任していた。
今でいえば駐ベトナム大使のようなものである。

さて、東大寺大仏殿の開眼供養法会で婆羅門僧正として導師をつとめたのは、
インド人の菩提僊那(ぼだいせんな)だった。
その菩提僊那に師事していたのが、ベトナム人の仏哲(ぶってつ、Phật Triết
)だった。
仏哲は、チャンパ王国(現在のフエ)の出身。
日本僧理鏡らの招きにより、736年に菩提僊那とともに日本入りした。
一行は、大宰府を経て都に入り、大安寺に住した。
聖武天皇からの信頼篤く、752年の東大寺大仏開眼法要では舞楽(ぶがく)を奉納した。
仏哲の伝えた舞楽(林邑楽)は、春日若宮おん祭で毎年12月に披露されており、
2014年4月には春日舞楽の雅楽団「南都楽所」がフエで「里帰り公演」を行なったそうだ






続日本後記承和11年(844)7月戊午
「天皇御仁寿殿、命奏林邑楽」




林邑楽は、林邑(ベトナム)の僧仏哲によってもたらされたというインド系の楽舞をいう。
改編が重ねられ、平安初期に唐楽の中に編入された。
迦陵頻(かりょうびん)、陪臚(ばいろ)、抜頭(ばとう)など数編ある。
次の絵画は迦陵頻(かりょうびん)である。












 
 琥珀ブログ  平成23年3月20日  初製作

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