
Produced & Photographed by Matsutora
阮朝王宮
令和2年1月22日
HUE ROYAL ANTIQUITIES MUSEAM
January 22, 2020
阮朝(グエンちょう)は、1802年から1945年までの143年間の長きにわったベトナム最後の王朝であり、
現在のベトナムにほぼ等しい領域を支配した最初の統一政権だった。
1887年から1945年3月10日までは、フランス領インドシナとしてフランスの支配下にあった。
建国は、西山(タイソン)朝に敗れて滅亡した広南国の生き残り
阮福暎(グエン・フク・アイン)が、西山朝を打倒して樹立した。
阮朝王宮はフエを象徴する観光スポットで、1993年ベトナムで最初の世界遺産に認定された。
周囲2.5km(南北604m、東西620m)の城壁に囲まれた、
約3.6 平方キロメートルの広大な敷地内には、宮廷文化を今に伝える建築物が残っている。
また、 王宮内にある閲是堂ではユネスコの無形文化遺産に認定されている宮廷雅楽を観賞することができる。
ベトナム戦争によりその大半が大破されたが、現在は修復が進み多くの建築物が往事の姿を見せている。
阮朝王宮を囲む城壁が見えてきた。


広徳門(クアンドゥック門)から入場する。王宮は2重の堀で囲まれた環濠王宮。


九位神公
これは1803年に銅で鋳造された9つの大砲のことである。
この大砲はフラッグタワーの東にある広徳門と西にある体仁門から王宮の午門へ行く途中にある。
東に設置された4つの大砲は四季(春、夏、秋、冬)を、
西の5つの大砲は五行思想(木、火、土、金、水)を意味している。
1816年ザーロン帝はこれらの大砲に「神威無敵上将軍」と官位を授けた。
4mある砲の後ろに、その名が刻まれている。
原材料となった銅はザーロン帝が西山朝を滅ぼした際に獲得したものだそうで、
グエン王朝成立の記念碑的存在といえる。
ちなみに9という数字は「悠久、永久」につながり、
また10進法で最大の数字であることから縁起のいい数字として好まれている。
下の写真は東に設置された「春、夏、秋、冬」の大砲。

左手前にフラッグタワーが、その奥に西の五つの大砲がある。

フラッグタワー(国旗掲揚台)と午門の広場。

体仁門と西の五つの大砲小屋

「木、火、土、金、水」を表す西の5つの大砲。


後方の建物は午門で二番目の堀の門である。

午門

午門
北京の紫禁城の午門を模して立てられた入宮門。
門が中央に三っつ、左右に一つづつある。
中央の門は皇帝が外出時に使用し、その両側の門は文官や武官が使用した。
左右の門は兵士や象や馬が使用していた。

「午」には「南」という意味もある。
古代中国では、「聖人君子が南から天下に耳を傾ければ、世の中は平和に治まる」との考えに由来している。

午門

現在、左端の門は音声ガイド受付所になっている。

12か国語に対応している。

音声ガイド器機を付けた松虎。残念ながら音声が乱れて聞き取りにくいことがある。

2番目の堀


王宮に入ると、儀門が迎えてくれる。






大朝儀の広場

太和殿(王座の間)と周辺の正月飾り。まるでフラワーフェステイバル会場のようだ。







太和殿(王座の間)

太和殿(王座の間)入口。吉祥文字の「壽」がいたるところに刻まれている。

王座の間。ここは撮影禁止なのでインターネットで獲得した写真を掲載した。

太和殿を通り抜けた後ろ側
左右対称に薄茶色の建物がある。
かつて高級官吏たちが過ごした「右廡」「左廡」である。
これらの建物を過ぎた場所に、「紫禁城」と呼ばれる広大なエリアが広がって、
奥に奥にと建物が続いていたが、まだ再建されていない。

青銅の大釜














赤い回廊が左右に残っている。

高級官僚と従者(19世紀終わりから20世紀始め)

阮朝9代皇帝「同慶帝/どうけい帝/Emperor Dong Khanh」の王妃と
そのご母堂が、フランス植民地の大臣と謁見。同慶帝は24歳で死去している。


阮朝12代皇帝「啓定帝/カイディン帝/Emperor Khai Dinh」 1923-1925年撮影

阮朝12代皇帝「啓定帝/カイディン帝/Emperor Khai Dinh」 1924年撮影


阮朝13代皇帝「保大帝/バオダイ帝/Emperor Bao Dai」
ベトナムの最後の皇帝(在位:1926年1月8日 - 1945年8月30日)

阮朝第二代皇帝(明命帝/ミンマン帝/Emperor Minh Mạng)(在位:1820年-1841年)
《 御制詩 》
一人受命治天下(一人命を受けて天下を治める)
天下原非奉一人(天下の奉職は一人にあらず)・・・













八角亭
八角形の東屋で、屋根には龍の彫刻が見られる。


写真は、紫禁城エリアの最深部となる場所。
ここには「建中樓」と呼ばれるバロック建築スタイルの建物があった。
しかし、レンガ造りの美しい建物も戦禍によって喪失。
草に埋もれた基壇だけが残り、黄金の龍がただ一人、廃墟となった紫禁城を見下ろしている。

龍を背に王宮の正面左。

龍を背に王宮の正面中央。

龍を背に王宮の正面右。


















回廊の奥の建物は、長寧宮(皇太后の宮殿)







延寿宮(皇太后の住居)













興廟(初代皇帝の父を祀る場所)




顯臨閣
阮朝歴代の皇帝の菩提寺。廟門を入ると、顯臨閣がさらに奥に寺院、世廟がある。
顕臨閣の前には青銅製のつぼが9つ在りそれぞれに歴代皇帝の名前が書かれている。



青銅製のつぼが9つ(九鼎)

世廟
1821年に建てられた阮王朝の歴代皇帝の位牌を祀る場所




太平楼(皇帝の書斎)


皇帝の書斎




機暇園




ロイヤル劇場(閲是堂)
ロイヤル劇場(閲是堂)入口





出口附近のハンデクラフト展

顕仁門(出口)

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琥珀ブログ 平成23年3月20日 初製作

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