
Produced & Photographed by Matsutora
熱帯の小さな虫
令和3年9月5日
SMALL TROPICAL CREATURES
September 5, 2021
タイでもベトナムでも、熱帯の小さな虫に悩まされた。
タイでは小さなアリ、
針でちょこっと突いたくらいの小さいで、パソコンの中を住処にする。
ベトナムでもこの小さなアリもいたが、小さなハエもいる。
成虫なら目にも見えるが、卵や羽化直後のハエは、
針でちょこっと突いたくらいの小さいで目にも見えないくらいである。
この小さなハエが体に止まると見えなくとも感触はある。
目に見えないだけに皮膚病か神経症かと勘違いする。
針で突いたくらいの大きさのハエだと認識するのに何カ月かかっている。
駆除するのには1年数カ月かかっている。
発生源(巣)がどこにあるか、卵が見えないだけに探すのが困難であるが、
殺虫剤を散布すると黒い小さな塵が落ちたようになる。
ここが発生源である。
私のアパートは台所のシンク下、
風呂場の便器の背面、窓際の3か所が発生源になっていた。
当初は、目に見えないハエが何千匹、
いやいや、たぶん数万匹であったと思われるが、
それらの巣のなかで住んでいたようなものだった。
イモリも毎日のようにちょろちょろしていた。
毎日食事に来ていたのである。
次の写真の窓枠で黒い小さな塵のようなものがハエの幼虫である。
綺麗に拭いた直後に殺虫剤を噴霧するとすぐにこのようになる。

これは成虫


拡大すると羽根がある成虫であるのがわかる。

実はこのアパートはサービスアパートメントである。
サービスアパートメントは、外国では一般的な滞在用施設であるが、
日本ではまだ少なく馴染みも少ないが、
東京の高級賃貸マンションの中にはエアコンや冷蔵庫や
洗濯機や炊飯器やトースターやアイロンなどの家電や
鍋や薬缶や包丁やまな板などの調理器器具や
皿やコップなどの各種食器も準備されている部屋がある
というのは聞いたことがあると思う。
これがサービスアパートメントである。
日本では超高級賃貸マンションといわれることもある。
ベットメイキングや清掃やシーツ交換などもやってくれる。
だが、清掃は基本的には床をモップで拭くだけである。
物が置いてあるとそれらを動かしてまで床拭きはしない。
またトイレの便座や手洗い器はピカピカに磨いてくれる。
コロナ禍で自宅からオンライン授業をしていたので、
授業中に清掃員が入ってくることもあった。
週に2回来ていた。その都度、
清掃員が持ってきた清掃道具を見ているが、
ぞうきんも枝付きたわしもひとつづつしかもっていない。
つまり便器の中も手洗いの器(うつわ)も同じたわしでこすって、
同じぞうきんで拭いているのだ。
また、床は土足厳禁にしているが、清掃員は土足で入ってきて、
私の顔を見て、引き返して玄関先で靴を脱いだ清掃人もいたし、
土足のままモップ拭きした人もいた。
しかし、その結果は、目に見えない数万匹の極小ハエが舞う部屋なのである。
かつて中国の超高級ホテルで清掃員の様子を隠し撮りした動画が世間を驚かせた。
客が顔や身体を拭いたあとのタオルでコーヒーカップなどを拭く、
コップと浴槽・便座を同じタオルで拭く、
ゴミ箱に捨ててあったコップのフタを使用済みタオルで拭いて再利用する、
などの姿が収められていた。
中国人は一般的に、『バレなければ何をしてもいい』という気持ちが強いのだ。
だが、この動画に驚いた韓国の超高級ホテルが室内にカメラを設置して録画すると、
韓国でも清掃員が同じことをやっていた。
ベトナムのホテルは試した人はいないか、
試しても公にしていないのか、情報がないのでわからないが、
私のサービスアパートメントでは似たようなことをやっているようだ。
私は部屋を土足厳禁にしているので、清掃員の清掃後になるべく早く再モップ掛けしていた。
浴室の手洗い器もコップなどももう一度洗って清潔なペーパータオルで拭いていた。
高級ホテルで働く清掃員とはいえ、薄給であるし、自分ではとても泊まれない別世界であるので、
不潔な清掃は豊かな人への復讐なのかもしれないと思ったりしている。
私は高級ホテルに泊まっても、入室するとまず最初に、
コップや皿やナイフなどの口に近い食器を洗っている。

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